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2022.02.25 ITニュース とちぎデジタルハブのすすめ

昨今、「共創・協業」と言う言葉を頻繁に聞くようになってまいりましたが、異業種交流となると、苦労していることも多いのではないでしょうか。

栃木県デジタル戦略課が進めている戦略の一つに「とちぎデジタルハブ」があります。そこでは、デジタル技術を活用し地域課題を解決する場として、県内外の個人・企業の交流が行われています。また、「とちぎデジタルハブ」は、シビックテックの推進にも効果を発揮しており、市民の行政への参画を促進し、新たな「公共」の担い手を育成することにもつながっています。

【デジタルハブの説明】

地域の様々な課題と、デジタルによる解決手法を持つ方とのマッチングを図り、実証実験なども取り入れながら課題を解決する仕組みとして2021年10月に「とちぎデジタルハブサイト」がオープンしました。課題の投稿は誰でも可能です。投稿された時点では不明瞭であったり、個人的な課題であっても、様々な方々の目線を通じて明確かつ地域共通の課題に磨き上げていきます。

明確化された課題は解決方法を提供する企業とのマッチングに繋げるほか、新たな解決方法の開発に向けてプロジェクトを立ち上げ、実装に向けてディスカッションを実施します。費用対効果が不透明で、特に必要と判断された解決方法は県が実証実験を実施するスキームも想定しています。

【現在の課題・プロジェクト進捗】

2022年2月現在、13課題が投稿、6プロジェクトが推進中です。プロジェクトでは「民間主導」「課題先行」「県の伴走支援」をテーマにディスカッションを進めています。

※ 現在推進中の主なプロジェクトの紹介

  • 「佐野らーめん店に訪れたお客様を市内周遊につなげたい」プロジェクトでは、混雑の見える化に取り組むとともに、佐野らーめんを食べに来たお客様を市内周遊につなげるソリューションの開発を目指します。
  • 「林業従事者が安全に働ける環境を作りたい」プロジェクトでは、労働災害発生率が高い林業の安全確保にデジタル技術で取り組むこととし、特に「事故前の予防」「事故後の速やかな連絡」の両面に対応するソリューションを開発します。
  • 「那須烏山のユネスコ無形文化財「山あげ行事」の活性化」プロジェクトでは、お祭りを観光誘客に繋げるためのVR等を活用して、山あげ行事をはじめとした那須烏山地域の価値を伝えるソリューションを開発します。

【デジタルハブサイト改修の方向性】

 現在、ソリューション提供企業が「とちぎデジタルハブ」に参加しやすくなるよう、サイトの改修を進めています。今後は、各プロジェクトの進捗や具体的なソリューション検討状況を解説するページの追加や、県内で活躍するIT企業インタビュー動画の公開・募集を予定しています。また、ソリューション提供側からの新たなニーズ発掘などにも取り組む予定です。

「とちぎデジタルハブ」では、特定の地域における課題に対し、個別にプロジェクトを立ち上げ、実証実験などを通して解決に導いていきます。また、プロジェクトから得られた成果は県内他地域に適用可能なソリューションとして提供することも検討されています。これは、持続可能な社会の実現に、大きなインパクトをもたらすものであると考えられます。是非一度ご覧になっていただけると幸いです。

「とちぎデジタルハブ」が、インクルーシブなデジタル社会実現に向けての交流の場となる事を期待します。

【ご参考】

とちぎデジタルハブサイト

<https://www.tochigi-digitalhub.jp/>

栃木県デジタル戦略課

https://www.pref.tochigi.lg.jp/a04/index.html

【執筆担当】

株式会社セレクティ IT事業部 部長 赤羽敦史